中小企業のDX・AI活用に使える補助金・助成金の早見表【2026年度】

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この記事の要点

  • 中小企業がDX・AI活用で使える主な制度は、ITツールの導入なら「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」、人手不足を補う機器やシステムなら「中小企業省力化投資補助金」、社員の研修なら厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。
  • 補助金は審査で採択されるかが決まり、助成金は要件を満たせば受け取れるのが一般的な違いです。どちらも原則として「申請や計画の届出をしてから、購入・実施する」順番を守る必要があります。
  • 制度の名前・内容・締切は年度ごとに変わるため、必ず公式サイトで最新の公募要領を確認しましょう。

「AIツールを入れたいが、補助金は使えるのか」「研修に使える助成金があると聞いた」「制度が多すぎて、どれが自社に合うのか分からない」。DXやAI活用を進めたい中小企業にとって、国の補助金・助成金は心強い制度ですが、種類が多く、名前や内容も毎年のように変わります。

この記事では、2026年10月19日時点で公式サイトから確認できた情報をもとに、中小企業のDX・AI活用で検討しやすい主な制度を早見表にまとめます。金額や細かな条件は変わりやすいため、ここでは「何に使える制度か」「どこで確認するか」を中心に整理します。

助成金と補助金の違い

補助金 助成金
主な所管 経済産業省・中小企業庁など 厚生労働省など
主な目的 設備投資・IT導入・新しい事業への挑戦 雇用の安定・人材育成・賃上げ
受け取れるか 審査があり、採択されないと受け取れない 要件を満たせば受け取れるのが一般的
募集の時期 公募期間が決まっている(締切がある) 通年で受け付けるものが多い(予算や期限あり)

どちらも、多くの場合はお金を先に払い、後から受け取る(後払い)仕組みです。また、申請や計画の届出の前に購入・実施したものは対象にならないのが原則です。「先に契約してしまった」という失敗が多いので注意しましょう。

DX・AI活用に使える主な制度の早見表

DX・AI活用に使える主な制度を、使い道ごとに分けた早見表の図。左の列「ITツール・AIツールを入れる」にデジタル化・AI導入補助金、「人手不足を補う機器・システム」に中小企業省力化投資補助金、「新しい事業・製品づくり」に新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、「販路開拓と業務効率化」に小規模事業者持続化補助金、「社員の研修」に人材開発支援助成金、「賃上げと設備投資」に業務改善助成金。上の3段はシアンの「補助金」、下の段は黄色の「助成金」のラベルで色分けされている
何にお金を使いたいかで、検討する制度が変わります
制度 主な使い道 確認時点の状況(2026年10月19日)
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金) 業務の効率化やDXのためのITツール(AI機能を持つものを含む)の導入 2026年3月から交付申請の受付が始まり、公式サイトでは第7次以降の変更点が案内されています
中小企業省力化投資補助金 人手不足の解消に役立つ機器やシステムの導入(カタログ注文型・一般型) カタログ注文型は随時、一般型は第9回の公募が11月上旬開始予定と案内されています
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新しい製品・サービスの開発や新しい市場への進出のための投資 従来のものづくり補助金は公募を終了し、新規の申請はこの補助金へ案内されています
小規模事業者持続化補助金 小規模事業者の販路開拓や、それと一緒に行う業務効率化の取り組み 商工会議所地区の一般型(通常枠)は第20回の申請締切が2026年12月15日と案内されています
人材開発支援助成金 社員の職業訓練(研修)の経費や訓練中の賃金の一部 通年で受け付け。訓練開始の6か月前から1か月前までに計画届の提出が必要です
業務改善助成金 事業場内の最低賃金の引き上げと、生産性を高める設備投資など 令和8年度分は2026年9月1日から受付。締切は地域の最低賃金の発効日の前日か11月30日のいずれか早い日と案内されています

状況は確認時点のものです。公募の回や締切は変わるため、申請を考えたら必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領を確認してください。

このほか、都道府県や市区町村が独自にDXや生産性向上の補助金を設けている場合もあります。地域の商工会・商工会議所や、自治体の産業振興の窓口に問い合わせると、国の制度と合わせて使える制度を教えてもらえることがあります。

研修とツール導入で使う制度が違う

AI活用の取り組みは、大きく「ツールを入れる」と「人を育てる」に分かれ、使う制度も異なります。

  • ツール・システムを入れる:デジタル化・AI導入補助金や省力化投資補助金など、経済産業省・中小企業庁系の補助金を検討します。デジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録された支援事業者と一緒に申請する仕組みです。
  • 社員に研修を受けてもらう:厚生労働省の人材開発支援助成金を検討します。訓練時間などの条件があり、計画届を研修開始の前に出す必要があります。詳しくは「生成AI研修に使える助成金|人材開発支援助成金の条件と申請の流れ」で解説しています。

「ツールの導入費用と研修費用をまとめて一つの制度で」というのは難しい場合が多いため、それぞれの制度の対象をよく確認しましょう。

申請までの流れ(共通)

補助金・助成金の申請の流れを示す横長のタイムライン図。「1 目的を決める」「2 制度を選び公募要領を読む」「3 申請・計画届(ここまで契約しない)」「4 採択・認定のあとに購入・実施」「5 実績報告・支給申請」「6 受け取り(後払い)」の6つの点が線でつながり、3と4の間に「先に契約しない」の黄色い注意ラベル、全体の下に「GビズIDプライムの取得は早めに」の小さな帯がある
多くの制度は「申請してから実施し、後から受け取る」順番です。先に契約しないことが大切です
  1. 目的を決める:どの業務を、どう良くしたいか。制度ありきではなく、目的から考えます。
  2. 制度を選び、公募要領を読む:対象になる会社・経費・期間・締切を確認します。
  3. 申請・計画の届出:多くの補助金は電子申請(Jグランツなど)で、GビズIDプライムのアカウントが必要です。取得には時間がかかることがあるため、早めに準備しましょう。
  4. 採択・認定のあとに購入・実施:交付決定などの前に契約・購入したものは対象外になるのが原則です。
  5. 実績の報告・支給申請:領収書や成果の報告を期限までに提出します。
  6. 受け取り:審査のあと、補助金・助成金が支払われます。

申請の前に社内で準備しておくこと

どの制度を使う場合でも、次の準備をしておくと、申請の書類づくりがスムーズになります。

  • 今の業務と課題の整理:どの作業に、誰が、どのくらい時間をかけているか。事業計画の説明に使えます(業務の見える化とは?)。
  • 導入後の目標:作業時間をどれだけ減らしたいか、売上や賃上げにどうつなげるか。
  • 見積もり:導入したいツールや機器、研修の見積もりを、制度の条件に合う形で取り寄せます。
  • アカウントの準備:GビズIDプライムなど、電子申請に必要なアカウントを早めに取得します。
  • 社内の担当者:申請から実績の報告まで、期限を管理する担当者を決めます。

よくある失敗

  • 先に契約・購入してしまう:対象外になります。必ず順番を確認しましょう。
  • 締切の直前に準備を始める:GビズIDの取得や見積もりの取り寄せに時間がかかります。
  • 受け取れる前提で資金計画を立てる:補助金は採択されないこともあり、受け取りは後になります。
  • 導入後に使われない:制度を使うこと自体が目的になると、ツールが定着しません。導入後の使い方まで計画しましょう(社内でAI活用が定着しない理由と対策)。

なお、厚生労働省は、助成金について国の機関を名乗って勧誘する事業者があることに注意を呼びかけています。申請の代行や相談を依頼するときは、相手をよく確認しましょう。

ゼンシンの支援

株式会社善の「ゼンシン」では、AI人材レンタルや業務アプリ・システム開発を通じて、補助金・助成金を検討する前の「どの業務をどう良くするか」の整理からお手伝いしています。研修で人材開発支援助成金を活用したい場合は、ご希望に応じて社会保険労務士(社労士)をご紹介することもできます。申請は事業主様ご自身または専門家が行い、支給は審査で決まるため、受給を保証するものではありません。

よくある質問

ChatGPTやGeminiの利用料金は補助金の対象になりますか?

制度ごとに対象になるツールや経費が決まっています。たとえばデジタル化・AI導入補助金では、事務局に登録されたITツールが対象です。利用したいサービスが対象かどうかは、公式サイトや支援事業者に確認しましょう。


補助金と助成金は同時に使えますか?

対象になる経費が違えば、別の制度を組み合わせられる場合があります。ただし、同じ経費に複数の制度を重ねて使うことは基本的にできません。各制度の公募要領で確認しましょう。


申請は自社でできますか?

自社で申請できる制度が多くあります。ただし、書類の準備に時間がかかるため、商工会・商工会議所の窓口や、制度に詳しい専門家に相談すると安心です。


制度の情報はどこで確認すればよいですか?

各制度の公式サイトのほか、中小企業庁のミラサポplusで補助金・助成金の情報を探せます。年度の切り替わり(4月前後)や補正予算の成立後は、内容が大きく変わることがあるので注意しましょう。


採択されなかった場合はどうなりますか?

補助金は受け取れませんが、公募の回が複数ある制度では、内容を見直して次の回に申請できる場合があります。受け取れる前提で契約を進めないよう、資金計画は採択されない場合も想定しておきましょう。

まとめ

  • ツールの導入は補助金、社員の研修は助成金と、使い道で検討する制度が変わります。
  • 補助金は審査で採択が決まり、助成金は要件を満たせば受け取れるのが一般的な違いです。
  • どちらも「申請してから実施し、後から受け取る」順番が原則です。先に契約しないようにしましょう。
  • 制度の内容は年度ごとに変わるため、必ず公式サイトで最新の公募要領を確認しましょう。

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参考資料・出典

この記事は2026年10月19日時点で各公式サイトから確認できた情報をもとにしています。制度の名前・内容・締切は変更されることがあるため、申請の前に必ず最新の公募要領をご確認ください。年度の切り替わりに合わせて内容を見直します。

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この記事を書いた人

株式会社善 / 善のAX研究所

福祉の現場から始まった株式会社善が運営するコラムです。AI・Googleツール・業務改善について、日々の実務に役立つ考え方をお届けします。

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