GAS開発の依頼先の選び方|フリーランス・制作会社・伴走型の違いと契約の注意

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この記事の要点

  • GAS(Google Apps Script)の開発の依頼先は、大きく「フリーランス(個人・クラウドソーシング)」「制作会社・開発会社」「伴走型の支援会社」の3タイプに分けられます。仕様が決まった小さな自動化はフリーランス、多くの人が使う業務システムは制作会社、業務の流れから見直したい・作ったあとも相談したいときは伴走型が向いています。
  • どのタイプでも、契約の前に「作ったものの権利」「納品物の範囲」「動かすアカウントと権限」「保守と引き継ぎ」を確認することが、作ったあとに困らないための条件です。
  • 費用の決まり方と、見積もり前に準備する情報は「GAS開発の外注費用はどう決まる?」で詳しく紹介しています。

「GASで業務を自動化したいが、誰に頼めばよいのか分からない」「クラウドソーシングと制作会社、どちらがよいのか」。Google Workspace を使う中小企業から、GAS(Google Apps Script)の開発の依頼先についてよく相談を受けます。

この記事では、GAS開発の依頼先を3つのタイプに分けて、それぞれの得意なこと・注意点、見極めるための質問、契約で確認することを整理します。依頼の前に準備する情報や見積もりの比べ方は「GAS開発の外注費用はどう決まる?見積もり前に準備する5つの情報」で紹介しているので、あわせてご覧ください。

GASでできること・苦手なこと

GASは、Google が提供する、Google Workspace のサービス(スプレッドシート、フォーム、Gmail、カレンダー、ドライブなど)を自動で動かすためのプログラムの仕組みです。基本は「GASとは?」で紹介しています。外注の前に、得意・不得意を知っておきましょう。

得意なこと 苦手なこと・注意が必要なこと
スプレッドシート間の転記・集計 大量のデータを一度に処理する作業(1回の実行時間に上限がある)
フォーム送信をきっかけにした通知・自動返信 大量のメール送信(1日に送れる宛先数に上限がある)
決まった時刻の定期処理(締切のお知らせなど) 多くの人が同時に使う、画面の凝ったシステム
Gmail・カレンダー・ドライブとの連携 Google 以外の社内システムとの複雑な連携(つなぎ方による)

Google の公式ドキュメントでは、GASの1回の実行時間は6分まで、Google Workspace アカウントの場合のトリガーの合計実行時間は1日6時間まで、などの上限が示されています(上限は変更される場合があります)。作りたいものが上限に近い場合は、AppSheet や別の仕組みを組み合わせる判断も必要です。AppSheet との使い分けは「AppSheetで業務アプリを作る」をご覧ください。

GAS開発の依頼先は3タイプ

比べる点 フリーランス(個人・クラウドソーシング) 制作会社・開発会社 伴走型の支援会社
向いている案件 やりたいことがはっきりした小さな自動化 多くの人が使う業務システム、他システムとの連携 業務の流れから見直したい、研修や定着も一緒に頼みたい
進め方 依頼側が仕様を伝え、作ってもらう 要件定義から設計・開発・テストまで工程を踏む 業務の聞き取り・見える化から始め、使いながら仕上げる
依頼側に求められること 仕様を自分で書く・確認する力 要件を決める打ち合わせへの参加 社内の窓口を決め、一緒に動く時間
注意点 連絡が取れなくなったときの引き継ぎ、説明書の有無 小さな案件だと工程が重くなることがある 支援の範囲と期間をはっきりさせる

大切なのは「依頼先の規模」より「案件との相性」です。やりたいことが決まっていない段階で、仕様を書くことが前提の依頼先を選ぶと、すれ違いが起きやすくなります。

GAS開発の依頼先を選ぶ判断の流れ図。最初の分かれ道「作りたいものが決まっている?」で「はい」なら次の分かれ道「小さな自動化?」へ進み、はいは「クラウドソーシング・個人の開発者」、いいえは「開発会社」。最初の分かれ道で「いいえ(業務から見直したい)」なら「業務改善・AI活用の支援会社(現場を見に来てくれる相手)」へ進む
作りたいものが決まっているか、業務の流れから見直したいかで、合う依頼先が変わります

タイプ別のメリットと注意点

フリーランス(個人・クラウドソーシング)

小さな自動化を手早く頼めるのが良さです。一方で、仕様の書き方があいまいだと意図と違うものができやすく、納品後に連絡が取れなくなると直せなくなります。コードの説明書を納品物に含めること、会社のアカウントで作ってもらうことを、依頼の時点で約束しておきましょう。

制作会社・開発会社

要件定義やテストなどの工程を踏むため、多くの人が使う仕組みや、ほかのシステムとの連携に向いています。GASを含む Google Workspace での開発経験があるか、小さな修正をどう頼めるかを確認しましょう。

伴走型の支援会社

業務の見える化から始め、なくせる作業を減らしたうえで仕組みにするため、「何を作ればよいか決まっていない」段階から相談できます。研修や使い方の定着も一緒に頼める一方、社内の窓口が一緒に動くことが前提になります。

依頼先を見極める質問

  • 「GASで作った仕組みの例を、差し支えない範囲で教えていただけますか?」
  • 「当社の業務の流れを、最初にどのように確認されますか?現場を見ていただけますか?」
  • 「作った仕組みは、どのアカウントで動かす想定ですか?」
  • 「説明書や操作の説明は、納品物に含まれますか?」
  • 「納品後の小さな修正や、止まったときの相談はどのように頼めますか?」
  • 「GASが向かない部分があった場合、AppSheet など別の方法も提案いただけますか?」

答えが具体的か、自社の業務に合わせた話になっているかが、相性を見極める手がかりになります。AI活用まで含めて支援先を比べる観点は「AI導入支援会社の選び方」も参考になります。

大阪・静岡の中小企業が依頼するときのポイント

「画面越し」だけで決めない

GASの仕組みは、現場の作業に合っていないと使われません。紙の伝票、ホワイトボード、口頭での引き継ぎなど、画面に映らない作業が業務の流れに含まれていることはよくあります。依頼先が現場に来て実際の作業を見てくれるかどうかは、完成品の使いやすさに直結します。大阪や静岡の会社であれば、近くに拠点があり、訪問して話を聞いてくれる相手を選ぶのも一つの方法です。

業務の「なくせる作業」を先に探す

今の作業をそのまま自動化すると、不要な手順まで仕組みに残ります。依頼する前に、なくせる作業・まとめられる作業がないかを確認しましょう。考え方は「業務の見える化とは?」で紹介しています。

Excel やマクロからの移行も一緒に考える

Excel のマクロで動いている作業をGASに置き換える場合は、移行の手順もあわせて相談します。移行の注意点は「ExcelからGoogleスプレッドシートへ移行する手順」をご覧ください。

契約・納品で確認すること

GAS開発の契約・納品で確認する5つのことを示すチェックリストの図。「作ったものの権利」「納品物の範囲(コード・説明書・操作説明)」「テストの方法(コピーで確認)」「動かすアカウントと権限」「修正・保守と引き継ぎ」の5項目にチェック欄が並び、下に「契約の前に書面で確認」の黄色い帯がある
5つを契約の前に確認しておくと、作ったあとに困りません
  • 作ったものの権利:コードやスプレッドシートの権利がどちらにあるか。社内で修正してよいか。
  • 納品物の範囲:コード本体、設定の手順、説明書、使い方の説明(操作の研修)が含まれるか。
  • テストの方法:本番のデータで試す前に、コピーしたファイルで動作を確かめるか。
  • 動かすアカウントと権限:GASのトリガー(自動で動かす設定)は設定した人のアカウントで動きます。会社として管理できるアカウントで動かすこと、開発中に渡す権限と納品後に外す手順を決めます。
  • 修正・保守と引き継ぎ:不具合の修正の期間、仕様変更の相談方法、担当者が替わったときの引き継ぎ。

契約書の考え方は、IPAの「情報システム・モデル取引・契約書」が参考になります。作ったあとの保守は「業務アプリを作ったあとの保守はどうする?」、担当者が辞める前の引き継ぎは「属人化したExcel・GASを引き継ぐ方法」をご覧ください。

株式会社善の業務アプリ・システム開発(ゼンシン)

株式会社善は大阪市中央区に本社、静岡県磐田市に静岡オフィスを置き、AI活用支援サービス「ゼンシン」の一つとして業務アプリ・システム開発を提供しています。伴走型の支援として、管理表・入力・共有の仕組みから業務システムまで、GAS・AppSheet など Google Workspace を中心に作ります。画面越しの打ち合わせだけで作らず、現場に足を運んで実際の仕事の流れを見てから、不要な仕事と手順を減らしたうえで仕組みにします。作った人しか分からない仕組みにせず、成果物はお客様に帰属します。使い方の研修はAI実践研修と組み合わせることもできます。

よくある質問

GASの開発は、フリーランスと制作会社のどちらに頼むのがよいですか?

仕様が決まった小さな自動化ならフリーランス、多くの人が使う業務システムや他システムとの連携なら制作会社が向いています。何を作ればよいか決まっていない、作ったあとも相談したい場合は、業務の見える化から始める伴走型の支援会社が合います。


作ったGASは自分たちで直せますか?

小さな修正なら、説明書があれば社内でできる場合もあります。納品物に説明書を含めてもらい、どのファイルが何をしているかを分かる状態にしておきましょう。生成AIにコードの説明を手伝ってもらう方法もありますが、本番に反映する前にコピーで試すことが大切です。


個人の Gmail アカウントで作ってもらってもよいですか?

会社の業務で使う仕組みは、会社の Google Workspace アカウントで作り、会社のファイルとして管理するのがおすすめです。個人のアカウントだと、退職や異動のときに仕組みが止まったり、データの管理が分からなくなったりします。


依頼の前に何を準備すればよいですか?

今の作業の流れ、使っているファイル、楽になった状態などを書き出しておくと、相談や見積もりが具体的になります。準備する情報の詳細は「GAS開発の外注費用はどう決まる?」の記事で紹介しています。


大阪や静岡以外の会社でも頼めますか?

依頼先によって対応地域は異なります。株式会社善は大阪本社と静岡オフィスを拠点に、オンラインとの組み合わせも含めてご相談いただけます。

まとめ

  • GAS開発の依頼先は「フリーランス」「制作会社・開発会社」「伴走型の支援会社」の3タイプ。案件との相性で選びます。
  • 見極めには、業務の確認の仕方、動かすアカウント、説明書、納品後の相談方法を質問します。
  • 契約の前に、権利・納品物・テスト・アカウントと権限・保守と引き継ぎを確認しましょう。
  • 準備する情報と費用の決まり方は「GAS開発の外注費用はどう決まる?」で確認できます。

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参考資料・出典

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この記事を書いた人

株式会社善 / 善のAX研究所

福祉の現場から始まった株式会社善が運営するコラムです。AI・Googleツール・業務改善について、日々の実務に役立つ考え方をお届けします。

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