AI研修を対面でやる意味|オンラインとの違いと組み合わせ方

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この記事の要点

  • AI研修を対面でやる意味は、「その場でつまずきを解消できる」「自社の書類や画面を見ながら一緒に試せる」「職場の空気ごと変えやすい」の3つです。特に、パソコンに不慣れな人が多い会社や、研修のあと実務で使うことを目的にした研修で効果を発揮します。
  • 一方、拠点が離れている、短い時間で繰り返し学びたいといった場合はオンラインが向いています。
  • 中小企業では、初回や業務に当てはめる回を対面、復習や質問会をオンラインにする組み合わせが、負担と効果のバランスを取りやすい方法です。

オンライン会議が当たり前になり、AIの研修もオンラインで受けられるものが増えました。それでも「会社に来て研修してほしい」という声は少なくありません。「オンラインのほうが安くて手軽なのに、わざわざ対面にする意味はあるの?」と迷う方もいるでしょう。

この記事では、AI研修を対面でやる意味を、オンラインとの違い、向いている会社、組み合わせ方の順に整理します。研修の選び方全体は「中小企業向け生成AI研修の選び方」で紹介しています。

AI研修を対面でやる3つの意味

1. その場でつまずきを解消できる

生成AIの研修で受講者がつまずくのは、AIの使い方そのものより、その手前の操作であることがよくあります。ログインできない、画面のどこを押せばよいか分からない、ファイルをどこに保存したか分からない、といったことです。対面なら、講師や補助の人が隣で画面を見て、すぐに解消できます。オンラインでは、つまずいた人が声を出しにくく、そのまま置いていかれることがあります。

2. 自社の書類や画面を見ながら一緒に試せる

AI研修でいちばん大切なのは、「自分の仕事でどう使うか」が分かることです。対面なら、実際の日報や見積もり、会議の資料を見ながら、「この部分をAIに手伝ってもらいましょう」と具体的に試せます。ただし、社外秘の情報をAIに入力してよいかは、事前に社内ルールで決めておきましょう。

3. 職場の空気ごと変えやすい

同じ部屋で、隣の人がAIを使って作業が早く終わるのを見ると、「自分もやってみよう」という気持ちが生まれやすくなります。研修のあと、受講者同士で「あれどうやるんだっけ」と聞き合える関係ができることも、対面の良さです。

対面とオンラインのAI研修を比べる図。左の「対面」のカードには、隣で画面を見る講師と受講者のイラストと「その場で解消」「自社の書類で試す」「職場の空気が変わる」の3つのラベル。右の「オンライン」のカードには、パソコン画面に並ぶ顔のイラストと「移動がない」「拠点が離れていても参加」「録画で復習」の3つのラベルが並んでいる
対面とオンラインは、どちらが上というより、得意な場面が違います

対面とオンラインの違い

比べる点 対面(会社に来てもらう) オンライン
つまずきへの対応 隣で画面を見て、すぐ解消できる 画面共有が必要。声を出しにくい人が取り残されやすい
題材 手元の書類や現場の様子を見ながら決められる 事前に題材を共有しておく必要がある
参加のしやすさ 同じ場所に集まる必要がある 拠点が離れていても参加できる
移動・会場の準備 会議室、パソコン、ネット環境の準備が必要 各自のパソコンとネット環境があればよい
復習 研修中に作った手順や依頼文を残す工夫が必要 録画を見返しやすい
向いている内容 初めての操作、業務への当てはめ、社内ルールづくり 新機能の紹介、短い復習、質問会

対面が向いている会社・場面

  • パソコンやクラウドに不慣れな人が多い:操作でつまずく人がいると、AIの使い方まで進めません。
  • 研修のあと、すぐ実務で使いたい:自社の業務を題材に、その場で手順まで作れます。
  • 部署や年齢の幅が広い:理解の差に合わせて、得意な人には応用を、苦手な人には基本を、その場で調整できます。
  • 社内ルールを一緒に決めたい:入力してよい情報などを、顔を合わせて話し合うと、納得して守られやすくなります。ルールの作り方は「生成AIの社内ガイドラインの作り方」をご覧ください。
  • 経営者も一緒に参加する:経営者が同じ場で使ってみせることは、社内に広げる大きな後押しになります。

オンラインが向いている場面

  • 拠点や在宅勤務の人が多く、同じ場所に集まるのが難しい
  • 基本を学んだあとの、新機能の紹介や短い復習
  • 研修のあとの質問会や、使ってみた結果の共有
  • 社外の講師が遠方で、移動の時間や費用を抑えたい

なお、助成金を使って研修を行う場合、研修の形(対面・オンライン・eラーニング)によって扱いが違うことがあります。たとえば厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)では、令和8年8月3日からの変更点として、eラーニングの扱いに条件が加わっています。研修の形を決める前に、最新の公式資料を確認しましょう。詳しくは「生成AI研修に使える助成金」をご覧ください。

対面とオンラインの組み合わせ方

中小企業では、すべてを対面にする必要はありません。目的に合わせて組み合わせると、負担を抑えながら効果を高められます。

  1. 初回(対面):ログインや基本操作を全員がそろって確認し、自社の業務を題材に最初の使い方を試します。
  2. 2回目(対面またはオンライン):業務ごとに使い方を広げ、依頼文の型や手順を作ります。
  3. 研修のあと(オンライン):月1回程度の質問会で、使ってみた結果を共有し、うまくいかない所を直します。
  4. 振り返り(対面):1〜3か月後に、使えた業務・使えなかった業務を振り返り、次の取り組みを決めます。
対面とオンラインを組み合わせたAI研修の流れ図。「初回:対面(基本操作と業務での最初の一歩)」「2回目:対面かオンライン(業務ごとに広げて手順を作る)」「研修のあと:オンライン(月1回の質問会)」「1〜3か月後:対面(振り返りと次の取り組み)」の4つの段が左から右へ矢印でつながり、対面の段は濃い色、オンラインの段は薄い色で塗り分けられている
最初と節目は対面、その間はオンラインで。続けやすい組み合わせの一例です

会社に来てもらう研修の1日の流れ(例)

対面の研修では、たとえば次のような流れで進めます。時間配分は人数や題材によって調整します。

順番 内容 ねらい
1 全員でログインと基本操作を確認 操作のつまずきを最初に解消する
2 生成AIでできること・してはいけないことの説明 入力してよい情報など、安全な使い方をそろえる
3 自社の業務を題材に、一人ひとりが試す 「自分の仕事で使える」実感を持つ
4 うまくいった依頼文を全員で共有 使い方を社内の共有財産にする
5 研修のあとに試す業務と、振り返りの日を決める 研修を職場での実践につなげる

商工会・商工会議所などで多くの人に向けて開くセミナーの時間配分は「商工会・商工会議所で生成AIセミナーを開くには」で紹介しています。

対面研修の前に準備しておくこと

  • 会議室、受講者分のパソコン(またはタブレット)、電源、Wi-Fi
  • 受講者全員のアカウント(ログインできるかを前日までに確認)
  • 題材にする業務と、使ってよい書類(個人情報や取引先の情報は伏せたもの)
  • 入力してよい情報のルール(なければ研修の中で作る)
  • 研修で作った依頼文や手順を保存する場所(共有ドライブのフォルダなど)

当日あわてないよう、前日までに講師と準備物のリストを共有し、会場のネット環境も一度確かめておきましょう。研修の日は、ゴールではなくスタートです。研修のあとに使い続けるための工夫は「社内でAI活用が定着しない理由と対策」で紹介しています。

株式会社善の「令和のいまこそ、リアルに会いに行く」研修

株式会社善のAI活用支援サービス「ゼンシン」のAI実践研修は、画面越しだけで済ませず、必要なときは会社に伺い、顔を合わせて研修します。自社の実務を題材に「実務で試す」「分かるまで伝える」「手順を残す」を大切にしています。伺う日程やオンラインとの組み合わせ方は、ご状況に合わせてご提案します。大阪本社と静岡オフィス(静岡県磐田市)を拠点にしています。研修のあとは、AI人材レンタルで社外のAI担当者が相談相手になることもできます。

よくある質問

AI研修は対面とオンラインのどちらが効果的ですか?

目的によります。初めての操作や、自社の業務に当てはめる回は、その場でつまずきを解消できる対面が向いています。新機能の紹介や復習、質問会はオンラインでも十分です。組み合わせると負担と効果のバランスを取りやすくなります。


対面研修では、受講者は何人くらいが適当ですか?

一人ひとりの画面を見られる人数が目安です。講師1人で全員の操作を確認するなら少人数のほうが確実で、人数が多い場合は補助の人をつけるか、回を分けると理解の差が広がりにくくなります。


会社に来てもらう研修では、何を準備すればよいですか?

会議室とパソコン、Wi-Fi、受講者のアカウント、題材にする業務と書類(個人情報などは伏せたもの)、作った手順を保存する場所の5つです。ログインできるかは前日までに確認しておくと、当日の時間を有効に使えます。


オンライン研修を受けたが社内で使われていません。どうすればよいですか?

受けた人が自分の業務に当てはめる時間が足りなかった可能性があります。題材の業務を決めて、対面で一緒に手順を作る回を設けるか、研修のあとに相談できる相手を用意すると、使われる状態に近づきます。

対面研修とオンライン研修で、研修の中身は変わりますか?

基本の内容は同じでも、対面では一人ひとりの画面を見ながら進められるため、操作の確認や自社の業務への当てはめに時間を多く使えます。オンラインでは、説明や共有を中心にし、個別の練習は宿題や質問会で補うなど、進め方を変えるのが一般的です。

まとめ

  • AI研修を対面でやる意味は「その場で解消」「自社の書類で試す」「職場の空気が変わる」の3つです。
  • 不慣れな人が多い、すぐ実務で使いたい、社内ルールを一緒に決めたい会社に向いています。
  • オンラインは、拠点が離れている場合や復習・質問会に向いています。
  • 初回と節目は対面、その間はオンラインという組み合わせが、中小企業には続けやすい方法です。

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参考資料・出典

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この記事を書いた人

株式会社善 / 善のAX研究所

福祉の現場から始まった株式会社善が運営するコラムです。AI・Googleツール・業務改善について、日々の実務に役立つ考え方をお届けします。

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